DXで競争優位を実現する
前職はIT系というかWeb系というか、そんなことをやっていた。今風に言えばDX化のお手伝いとかそんな感じだが、その言葉が発明される前から、やってることはもう何年も変わらない。
IT化は要するにコミュニケーションと効率化の2点に集約されるわけだが、それらを以てマーケの活動を統合して付加価値を高めていく、そういうことをやっていたわけだ。
クローバーを譲り受ける前、どういう勝ち筋があろうかと思案する中で、釣り堀屋さんあるいは商圏内という限定的なマーケットの中ではDX力で負けることは恐らくないだろう、それはきっと強みとして競争優位を実現できるだろう、そんなことはぼんやり思っていた。
業務プロセスはとことんデジタルで置き換えて自動化や見える化や省力化をしていこうと思っていたわけだ。バックオフィスも含めて全プロセスを統合管理する、それもこの規模の釣り堀屋で、となると結構難しい。
大手は大手なりのシステムややり方があるし、中小には中小のプロダクトがあり、飲食には飲食のものがある。DXの手法やサービスの全体像を知っていて、成長と制約と戦略に合わせて設計と実装をする。そんなことができる人はこの業界にはなかなかいないはずだ。ふふふ。勝てる。そう思っていた。
ところがどっこい、いきなり躓いている。なんとこの地はそもそもネット回線が引けないのだ。NTTもauもNUROもすべてエリア外だ。ネットに出会って30年。ジャンキーと言われても弁明できぬほどどっぷりはまっていたネットがこの令和の時代にない!そんなことは漁船の上か北方領土くらいしかないと思っていたが、あるんである。人口カバー率99.○%という文言をよく見るが、その○に入っちまうのかーい!と突っ込みまくったわ。
Webマーケはもちろん、防犯カメラのネットワーク化も赤外線センサーもモバイルオーダーも在庫や予約や顧客や勤怠の管理も人流把握やRFIDも、何もかもネットがあってこそだよ!哄笑するしかない。
そういうわけで、競争優位はしばらく実現できそうにありません。もう一度ポーターでも読んで差別化でも勉強してこようと思います。