釣り堀屋は儲かるのか、そっと教えます ~釣り堀屋のマーケティングを考える その1~
ウム、儲からん。
決して道楽でやっているわけではないのでいずれ生活できる分くらいの収入にはしたいところだが、今のところは予想通り赤字である。
クローバーをオープンするにあたっては下記のイメージで進めようと考えた。
1年目は様子見で、ポテンシャルをはかる。とにかくお客さんのことを知ることに重点を置く
2年目にプロモーションを充実させて、集客を強化する
3年目にプロダクトを転換させて体験価値を向上する
ずいぶんとのんきにやっているように思われるだろうが、仕方がない。人手が足りないのである。
長期休みの期間や土日にしか来たことのないお客様には「繁盛してますね~」なんて言われることもあるのだが、残念ながらそれはごく限られた日だけなのだ。平日は全くと言っていいほど人はいないし、土日でも夏以外は大してお客さんはいない。
おまけに12~3月は土日も閑古鳥であろうし、積雪で休み自体が増えてしまう。
オープンから約半年のこれまでの売上は下記の通りだ。
4月…¥285,595
5月…¥494,231
6月…¥276,174
7月…¥429,710
8月…¥1,122,200
9月…¥650,774
10月…¥833,386
いかがだろうか。予想通りだろうか。少ないだろうか多いだろうか。
続いて費用だ。月によって当然違うので大凡これくらいは掛かるよね、という金額とすると
< ほぼ固定的に掛かる費用 >
ガソリン代…3万円/交通費
弁護士/税理士等の顧問料…10万円
光熱費…5万円
電話…1万円
駐車場…1万円
お菓子/玩具…1万円
減価償却…6万円
その他固定的に掛かる雑費…4~10万円、合計で30万としよう
< 変動的経費(売上に応じて増減するもの) >
魚の仕入れやエサ…15~40万
料理材料等…5~15万
平均で20万程度としよう。
実際には、これに以下の二つを加え勘案しなければならない。
< 人件費 >
正社員2名+アルバイト1名(土日)
正社員給与を30万円/月+ボーナス年2回1ヶ月分ずつとすると420万円/年で、社会保険料その他の会社負担分をざっくり15%とすると2名で126万円。
アルバイトは時給1,200円で月8日稼働として年92万。
以上を合計して12ヶ月で割ると人件費は最低でも88万円/月である。
< 家賃 >
家賃は物件を購入したため実際は発生していないが、投資回収という意味では計算に入れなければならない。物件取得にかかった費用を1,350万円とし、表面利回りを20%(※1)とすると計算上家賃は22.5万円となる。
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家賃と人件費の合計でざっと110万、それ以外も含めて合計すると月に160万円だ。
よって、4月からの7ヶ月の収支としては売上=409万円、費用は1120万円で、月に101万円の赤字ということになる。
もちろん実際には設備の修繕や新規造成などがありもっと掛かるし、当店の営業時間は朝5~18時であるから前後の準備片付けも含め残業代も掛かる。そもそも朝5時からスタートする求人に応募などないしあったとしても30万円では厳しいだろう。また、人件費や家賃は冬でも掛かるから、もっと厳しくなる。正社員二人はどちらも休みなしというわけにはいかないし、アルバイトは休む可能性があるから2名必要じゃないかなどもあるのだがキリがないのでこのくらいにしておこう。
上記に含めていない細かいものも含め、限界利益から逆算すると損益分岐売上はざっくり言うと200万円程度になる。これをハイシーズンである8ヶ月のみで達成しようとすると300万/月となり、今の売上水準からすると正気の沙汰ではない。
クローバーを独立採算の事業とした場合、全く立ちゆかないということは火を見るより明らかである。ほかの釣り堀屋さんはどうしてるんだろうね。
開業したばかりで認知が薄かったこと、集客は全くしていないことなどを割り引いても中々厳しいように思えるが、予想通りと言えば予想通りである。私は楽天家である。
集客出来る余地はものすごく広大にあるからその点は心配していないのだが、ただ、それにあたっていくつかの課題もある。それはまた別の機会に。
※1.表面利回り20%にさしたる根拠はないのだが、このような立地のこのような物件でRC新築マンションのような数%というのはあり得ない。30%や40%でもいいくらいだが、計算しやすいように20%とした。