カブトムシやクワガタを効率的に捕まえる

夏は子供向たちにカブトムシとクワガタムシ(たまにカナヘビ)をプレゼントする企画をしている。

敷地近く、および通勤路に採集スポットがあり、毎日の帰宅・出勤時に捕っていた。1回につき大抵2~5匹程度は捕れており昨夏は合計で7~80匹は捕ったと思うのだが、正直「わしは毎日何をしとるんじゃろ?」とも思っていた。

毎日特定の場所におっさんが車を停めてガサガサやってるのは周囲の方は気持ち悪かったろうし、蚊に刺されまくって気が狂いそうになり映画・プレデターのビリー・ソールの最後かのような奇声を発することもあった。

久しぶりの職務質問もされたりだ。「何をしてるの?」「車の中見せて」「身分証」というお決まりのやつだ。これまでも何十回と職質はされているのでそれ自体は慣れたもんだが、まずいことにカブトムシを捕る装備と強盗や怪しい奴の特徴はかなり似ている。明るすぎるタクティクルライトでの散策(目くらましにもなるし、一応武器にもなる。軽犯罪法でしょっぴかれる事件がたまにある)、ドライバーやトンカチやプライヤーなどの鍵を壊すために使いそうな工具、バイクを盗むのに最適なハイエース、やたら減ってる大五郎(焼酎。バナナやハチミツと混ぜて虫を捕るのに使っていた)、極めつけは目出し帽(顔を蚊に刺されるのは接客に差し障る)だ。子供と一緒ならともかく、おっさんが1人で夜中にというのはいかにも怪しい。「いや、子供たちに虫をあげたくて…」という理由はとってつけたようで、警察官に癖者と確定認知されるのは当然だ。

まぁ白石警察署には普段からお世話になっているから大事にはならないのだけど、この歳で職質は堪える。

そんなわけで、来る日も来る日もカブクワという生活に実は疲れ果てていた。今年からは効率的に採取しようと、二つ準備している。

その1.養殖する

私はなぜかすぐに養殖を試みる個癖があるようだ。

蔵王に木くずを安く譲ってくれる会社があると近所の方に教えていただいた。数トン購入し、そこに卵を産んでもらおうという算段だ。部屋での繁殖も考えたが、それだと逆に菌糸等の仕入費用が掛かりそうだし手間やスペースの問題もある。田舎で、雑に、大量にということであれば野放しがよさそうだ。恵まれた環境の寝床を準備するからカブクワさんあとはよろしくネというわけだ。

実際、100匹程度であれば割と簡単なようで既に実験済みで、敷地内には栗の木なども豊富にあり虫たちが好きそうな樹木ばかりだ。今年からは100匹程度では全くの不足となるから1000匹単位で確保したい。その2で捕ったカブクワの一部をその木くず場に放せばいずれ増えると踏んでいる。

ただ問題がいくつかあって、想定している場所はモグラだらけであるため幼虫になったらやつらに食い荒らされそうなこと、今年はもう時間軸的に無理で、成虫を獲られるのは2~3年先になること、繁殖と養殖のグラデーションが不明瞭で「養殖」となると農業ということになってしまい届け出などが必要になるかも知れないことである。

まぁいずれも大した課題ではないから気長に解決しようと思う。

その2.トラップを仕掛ける

既述の通りその1は今年はもう間に合わないため、今夏になるべく多品種を・なるべく多く・効率的に捕り、かつ職質や通報をされない手法を構える必要がある。

それほどカブクワに詳しくないのでわからないのだが、どうせやるなら色々実験してみたいと思っている。ひとまずカブクワなら常識レベルのノムラホイホイとライトトラップの合わせ技でスタートだ。

ノムラホイホイは定番だからいいとして、問題はライトトラップだ。夜に光を発するため近所迷惑にならないような場所を選定しなければならない。より遠くまで光を届ける見通しのよい場所が必要だ。

昆虫は走光性を持っている。中でもカブクワは350~400nm前後の紫外線を好む。そして誘引するには一定程度の光強度が必要で、かつ背光反射とも関連するため照射範囲が広くなければならない(強すぎる指向性は不向き)。

これらを満たすライトを選定するのに苦労した。アマゾンや楽天で検索すると中国製のすぐ壊れそうなものばかりヒットするし、それらを「&emi=AN1VRQENFRJN5」で除外すると全くヒットしなくなる。商品説明のどこを見ても波長帯が書いていなかったり、リフレクターの拡大写真がないため使用感がわからないものばかりだ。

何を言っているかわからないかもしれないが、ようするにとてもニッチだが確実な性能のものをネット通販で買うのは至難ということだ。

だが、私は執念で見つけた。これだ。たけー。

中国製のそれっぽいものは2~3000円なので、10倍以上である。

この投資は本当にリターンがあるのだろうか。いやそりゃ子供たちが喜んでくれることが最大のリターンというはのそうなのかもしれんが、これは釣り堀屋の仕事なのかは沈思しなけれならないだろう。

また、税理士さんには経費性が疑われそうである。「蔵王の山奥でプレデター発生のニュースが出たら困るから」と答えようと思っているのだが意味がわからなすぎて面倒なことになりそうだ。自費も検討せざるを得ない。こうしてまた私の給与は消えていくのである。

カブクワよりもほかの昆虫の方が多く捕れてしまう可能性が高いので、これらは釣りのエサにならんのか、ついでに実験してみたいところだ。

7月上旬に稼働開始の予定なので経過報告はまたいずれ。

なお、誤解されることも多いのだが、私はかなりまじめな人物である。