釣り堀屋は住宅ローンが通らない

当初の計画では農業をしながら悠々自適を満喫し、人生でやり残したことをスタートする、そんな2024年になるはずだった。

その前提となる住まいは、畑と一緒に買って新築することにしていた。いくつもの銀行で住宅ローンにはじかれ続け、最後の最後にフラット35に行き着き、金利が4%というあり得ない条件も飲んだにも関わらず2024年のクリスマスイブに無事審査に落ちた。私の1年戦争は敗北での締めくくりとなった。

釣り堀屋は家を買えないのである。まぁ確かに私は24年に会社を辞めたわけだから無理もないのかもしれないが、それにしたって今時4%の金利なんて見たことないし、しかもそれで落ちている。

釣り堀屋を運営する母体である当社も、地銀はもちろん公庫も信金も門前払いである。100万の資金が借りられないのである。曰く「この土地や建物の評価額はゼロ」とのこと。まぁそりゃそうかもしれんが、とはいえ買ったばかりなわけだから評価がゼロってどういうことなんだよと思いつつも、そういう仕組みなのである。そこは本当はわかっている。

解せぬのは、前職では都銀から信組まで3億ほど借りており当然私が連帯保証をしていたことだ。コンサルゆえ人しか資本はなく、機械・装置などの設備投資はなくのナマの3億だ。

その意味するところは3億の信用が私個人にあるということになるはずで、それが釣り堀屋に変わるとビタ一文貸せないっちゅーのは切なすぎやしないか。四半世紀も経営をし続けてきた経験と1度も遅れることなく返済し続けてきて信用を「こいつなら返せる」と評価したのではなかったのか。事業資金の連帯保証とはつまり、その会社が潰れてもこいつは返せるという意味なわけだから、それが釣り堀屋に変わったところで私の信用は同じはずだ。

そもそも我が社は釣り堀屋だけをやっているわけではない。未だコンサルが売上の大半である。確かにクローバーは赤字だが、それだけにフォーカスするのはなぜなんだ。さほど借りる必要もないのに借りてくれと言うから借りたことも幾度となくあったのに、仕打ちがすぎるぜ。

書類が全て揃った状態でスタートしたにもかかわらず、フラット35の審査だけで3ヶ月掛かった。決算書をはじめ、追加資料を寄こせ、寄こせ、寄こせと何度も請求され、都度すぐに準備もした。最後には総勘定元帳までだせと言われたが、フラットの担当者が(各種資料の)解説やヒアリングもなく分析できたとは到底思えない。これまで様々な会社を経営し、都合100期分以上の決算書を作ってきて数字のほとんどを暗記するレベルまで見ていても、解説やヒアリングがなければ自分の会社であっても羅列された数字は理解できないだろう。

というわけで、学びを共有すると

  1. 釣り堀屋は金を借りられないから注意しよう!
  2. どうしてもやりたい場合は家を買ってからにしよう!
  3. 個人の信用は法人に紐付くのではなく釣り堀屋に紐付くぞ!

ということになる(笑)。

クローバーはこれから様々投資をしていかなければならない。色々なところが傷んでいるし、私たちが理想とする環境、売上と満足度を両立する状況からほど遠いのである。少なく見積もっても1000万は掛かる。

自力で現金を作って意地でも金は借りぬ。そう誓ったクリスマスである。